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一般  梅村

私が守りたいもの育てたいもの

(1)この度のツアー参加のあなたの目的はなんですか。

中国内陸部の砂漠化進行の現状を自分の目で確認するとともに、ツアー中に自分自身が取り組める植樹活動で、一本でも多くの木を植えること。
中国の学校を訪問したり子供たちと交流したりすること。そして、子供たちと力を合わせて植樹をすることにより、環境問題に対する意識を共有すること。

(2)日本にはない大砂漠を目の当たりにしてどのように感じましたか。

初めて砂漠を目にした。延々と続く広大な砂で覆われた赤茶けたうねりが続く。一種の美しさを感じる間もなく、異質な世界へ迷い込んだ感じを受けた。
滑らかな曲線の丘陵や風紋を眺めながら、かつてここが緑に覆われていたであろう風景と常にオーバーラップさせてイメージする自分があった。

(3)大砂漠の中で、人々が生きていくには、何が必要と思いますか。

水と緑を確保し、生活の基盤を作り上げ砂漠との共生を図ること。緑が増えれば、必然的に産業が起き、生活基盤が出来上がる。

(4)現地の子ども達と接して何を伝えましたか。

一本一本木を植えるという地道な作業、共に植樹作業に汗を流すことで、環境に配慮する共通意識が芽生えること。

(5)環境問題に対し、あなたの考え方はどのように変化しましたか。

一本ごときの木を植えるには、「焼け石に水」ではないかと考えていたが、その活動をする意識が大切であることに気づいた。環境問題は、まさに、伝説の「クリキンディ」の水をくちばしで運ぶがごとき草の根の活動から始まる。

(6)ツアーの体験を他の人にどのように伝えますか。

学校の子供たちや知人に、体験を具体的に話し、参加を促していきたい。

(7)内モンゴル環境スタディーツアーの意義をどのように捉えていますか。

環境問題は、地球規模の問題であり、一国だけの問題ではない。地球上に多発している環境破壊の現状を確認し、たまたま中国の内モンゴルを切り口にして環境保全活動の意識を高める。また、参加した仲間で意識を共有し、各々思いを広める。

(8)自分の子や孫のためにどのような地球環境にしたいと考えますか。

地球に生存する生物は、すべて地球家族である。すべての種の生物が、絶滅することなく共存できる環境を目指したい。

(9)日本で身近な環境問題にどう取り組みますか。

自分個人でできる地球にやさしい小さなエコ活動に積極的に取り組むとともに、オイスカやグリーングラスロッツ、オイスカ石野地区友の会の活動に進んで参加し、自分にできる活動を推進する。

(10)あなたは今後も地球環境保全活動に率先して取り組みますか。

環境保全活動は、自分自身や子孫の未来のための投資であり、率先して取り組む。

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人の心に緑の砦を!

 中国の広大な大地を悠然と流れる黄河の流域まで迫る砂漠。黄河の雄大な流れを見るにつけ、この水が数え知れない生命を育む尊い存在であることが分かる。延々と続く砂漠の中にたたずむと、水の偉大さと緑の美しさ・優しさ・心地よさは、人間のDNAに刷り込まれた重要な要素の一つであると実感する。
 かけがえのない地球にも関わらず、人の手により環境が破壊され、地球を痛めつける。それは細胞を無秩序に増殖させ、母体を死に至らしめ自分自身も息絶えるガン細胞の愚かさと同じ行為である。
 中国内陸では、砂漠化が進行している。豊富に埋蔵される良質な石炭を中心とした近代的な烏海コンビナートが黄河流域の赤茶けた荒野に陽炎のようにゆらめく。産業優先の国家戦略がのぞく。一方、黄河の対岸・巴音木仁村では、ヒマワリの大群落と進行する砂漠化の最前線。ここでもオイスカのノウハウが生きている。村民への環境保全の意識化を図るために費やされたエネルギーはいかほどであったかと頭が下がる。一本の木を上、怒涛のごとく押し寄せる砂漠を食い止めることができるのか、誰しも疑問を抱き、その作業に徒労感を覚えるだろう。しかし、気づいた者が動かなければ、遠大な構想も始まらない。一人の力は微々たるものであるが、その意識が他へ広がれば、巨大な力となり問題解決へと強く歩むことができるであろう。人の「心の中に緑の砦」を築くことである。遠く離れた中国内陸から飛来する黄砂のように、環境問題は一国の問題としてとどまらない。地球市民の問題であり、地道な行動から解決が図られることを気づかせてくれたツアーであった。
 特に、地球の未来のために手を携えなくてはならないのが子供たちである。現地の3小学校と交流し、共に植樹し、思いを伝えることができたことはツアーの最も重要な役割であった。
本校生徒は、交流祈念として「楮」を原料とする小原和紙を贈った。成長の早い楮は、毎年伸びた枝を切り、紙の原料とする。何のエネルギーも利用しない手●きで、少しも環境を傷つけない永続可能な産業である。環境ツアーの交流品として、小原和紙は象徴的である。
環境問題は、一国の問題ではない。外国へ出かけ、貧者の一灯を献じることにより、地球市民全員の問題であるという意識が確認できることに、あえて中国内陸に出かける本ツアーの意義がある。地球環境保全に、一石を投じるものである。



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NPO法人 グリーングラスロッツ

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